消滅可能性都市ってなんだったっけ

私事、豊島区で勤務するようになって1年。
豊島区は消滅可能性都市といわているけれど、消滅可能性都市って?と思ったので改めて見直してみました。

そもそも消滅可能性都市とは?

2年も前の発表になりますが当時の日本創成会議・人口減少問題検討分科会が「消滅可能性896自治体」を公表しました。
「消滅」という言葉の強さもあり、当時は衝撃のある統計でした。

この「消滅可能性」とは
「2010年から2040年の間、人口移動が続いたとして、20〜39歳の女性人口が、50%以上減少する可能性のある都市」
とされています。

身近なところで栃木県内、足利市の場合は?

栃木県内の場合、消滅可能性が高い順に
 那珂川町-71.3%
 塩谷町-69.8%
 茂木町-69.8%
でした。

気になる足利市は?

実際のところ、足利市も例外ではなく49.5%減少すると試算されています。
今回の統計では基準を50%としていることから、僅かの差で消滅可能性都市には該当いないだけだった…
私には少し、衝撃的です。

私の出身地、富山県射水市の場合は?

富山県射水市の場合-38.0%とされています。
これは平成の大合併の際に新しく住宅地が増加している小杉町など周囲の自治体と合併したことが一因と考えられます。
一方で、当時は北陸新幹線が開業していなかったため、人口移動が収束しないどころか、拡大/発散するシナリオも考えられます。
今後の人口移動の動向に注目です。

栃木と富山を比較してみると

栃木県の場合、人口が正に推移する自治体はありませんでしたが、富山県の場合、舟橋村が+7.5%増加するとされています。
舟橋村は、県庁所在地である富山市に対するアクセスが良く、ベッドタウンとしての役割を担っていることが考えられます。
また富山の場合、持ち家比率が高く、未だに家を持つ文化が根強いため、一度家を立てて住み始めると、長く住み続けることも一因と推測されます。

わかることは?

2年前に発表された「消滅可能性都市」からは、
 ・地方でも、県庁所在地や工業地区に近い自治体で、10〜20年前から開発が始まったベットタウンを擁する街では、プラスに転じている自治体もある。
 ・若年女性人口に着眼した統計であり、もし少子化対策に活用するのであれば、地域での出生率、子育てのしやすさが加味して考察しなければならない。
 ・地域によって人口や男女の構成比率が異なるため、同じ1%でも重みが異なる。 この統計から人口減少問題、とりわけ女性に注目した少子化への対策と人口流出が読み解けます。

でも地域を存続させていくためには、単に人口を増やすことだけが解決策なのでしょうか。
 ・人口流出を考える前に、日常・地域を面白くするためには?
 ・人口減少を考える前に、明るい未来・将来を作るためには?
そんなことを考えながら振り返ってみた統計でした。

補足

まち・ひと・しごと創生本部が運営する「地域経済分析システム(RESAS(リーサス))」では、これらに合計特殊出生率等を加味した 4つのシナリオでの人口推移がまとめられています。

この記事を書いた人

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出村 哲朗

1987年富山県産。地元の商船高専を卒業まで富山で過ごす。大学編入学で桐生市へ移り住み、現在足利市在住の地方からのIターン組。足利というこの街で全国に通用する生き方・暮らし方・つながりを発信していけたら...と思っています。